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2026年4月10日

バンコクの日本食事情:老舗と新鋭が共存する美食都市

バンコクタイ寿司ラーメンとんかつ

バンコクの日本食シーンは、創業80年超の老舗と最新鋭の店が並存する稀有な環境だ。HONMONOのデータが示すのは、駐在員や旅行者が「本物」と認める店の多様性である。北海道の鮮魚を空輸する寿司店がある一方、神戸のミシュラン店がプロデュースする担々麺専門店も日本人の支持を集めている。

寿司

No. 01

MASA - Otaru Masazushi

HONMONO Score 93 / 100

Bangkok

北海道小樽の老舗が手がける寿司店。日本から直送される食材の鮮度は言うまでもなく、職人が握る一貫ごとに素材の個性を引き出す技術が光る。イカソーメンや自家製イクラ醤油漬けなど、ここでしか食べられない逸品も揃う。店主との会話を楽しみながら食事ができるカウンター席は、6年前の開店当初から日本人の常連客を惹きつけてきた。

No. 02

Sushi Masato

HONMONO Score 92 / 100

Bangkok

バンコクの高級寿司店として確固たる地位を築く一軒。シャリとネタのバランス、素材の鮮度は日本国内の一流店と比較しても遜色ない。板前が目の前で握る様子を眺めながらの食事は、単なる食事を超えたエンターテイメントだ。柑橘系の味付けは好みが分かれるものの、6年間にわたり一貫して高い評価を維持している事実が、この店の実力を物語る。食材の当たり外れが稀にあるとの指摘はあるが、全体の水準を下げるほどではない。

No. 03

Ginza Sushi Ichi BKK

HONMONO Score 87 / 100

Bangkok

銀座の名店がバンコクに展開する店。江戸前寿司の伝統を忠実に守り、日本から空輸される魚の鮮度と職人の技術は、ミシュラン星の獲得でも証明済みだ。日本人の利用者は「日本と変わらない」と評価する一方、最近では「値段相応」という表現も見られる。開店当初の圧倒的な感動と比べると、期待値の変化があるのかもしれない。

ラーメン・うどん

No. 04

Enishi Thailand

HONMONO Score 87 / 100

ramenBangkok

神戸のミシュラン店がプロデュースする担々麺専門店。複雑で洗練されたスープは、一杯で複数の味の変化を楽しめる設計だ。酢を加えることで酸味が際立ち、残ったスープにご飯を投入すればリゾット風に変化する。2年前の開店以来、この独特な食べ方が日本人の間で話題を呼んでいる。量の少なさや価格の高さ、スタッフの説明不足を指摘する声はあるが、味の完成度は揺るがない。

No. 05

Kamakiri Udon

HONMONO Score 91 / 100

udonBangkok

福岡の有名うどん店がバンコクに出店した一軒。もちもちとした麺のコシと、丁寧に取られた出汁は、日本と変わらない仕上がりだ。おでんへのこだわりも際立ち、スタッフの接客対応は細やかで好評を得ている。博多系の柔らかい麺を好まない人からは批判もあるが、これは好みの問題だろう。価格の高さを指摘する声も増えているが、1年前から評価は安定して高い。

No. 06

Marukame Udon Bangkok

HONMONO Score 90 / 100

udonBangkok

日本でも馴染み深いチェーン店のバンコク展開。麺のコシと出汁の味わいは本格的で、明太子クリームうどんや鶏天うどんといった看板メニューは在住日本人から支持されている。提供時間の遅さ、スープ温度のばらつき、言語の壁といった課題は散見されるが、2年前から評価は安定している。席の狭さは混雑時に気になるものの、総合的な顧客満足度は高い。

とんかつ・洋食

No. 07

Tonkatsu by Ma Maison

HONMONO Score 91 / 100

tonkatsuBangkok

日本式洋食を忠実に再現する店。自家製デミグラスソースは、何時間もかけて仕込まれた深い味わいで、ハンバーグやオムライスといった懐かしい洋食を日本国内と変わらない水準で提供している。居心地の良い店内、手頃な価格設定、充実したキッズメニューは家族連れに人気だ。ただし最近では味のばらつきや質の低下を指摘する声も出始めており、以前の安定性が若干揺らいでいる。

No. 08

Katsukura

HONMONO Score 89 / 100

tonkatsuBangkok

バンコクで最も知名度の高いとんかつ専門店。特大のエビフライはプリプリとした食感とサクサクの衣が特徴で、日本の水準を忠実に再現している。ご飯・味噌汁・キャベツのおかわり自由というシステムも日本そのままだ。待ち時間は30分から1時間半に及ぶこともあり、価格も決して安くはない。スタッフの対応にばらつきがあるとの指摘もあるが、味への満足度は依然として高い。

居酒屋・その他

No. 09

YEBISU DINING エビスダイニング

HONMONO Score 92 / 100

Bangkok

タニヤにある老舗居酒屋。新鮮な豚モツ刺しやレバー刺しなど、日本では規制で食べられない生肉料理が名物だ。味、サービス、メニューの豊富さで駐在員や日本人旅行者から長年愛されている。ただし過去にお通し料金に関するトラブルの報告があり、初めて訪れる際は価格設定を確認したほうがよい。

No. 10

Hanaya 1976

HONMONO Score 94 / 100

Bangkok

1939年創業、バンコク現存最古の日本食レストラン。刺身盛合せ、寿司、天ぷら、定食と、正統派の和食を提供する老舗だ。リーズナブルな価格設定と安定した味でタイ人・日本人双方から愛されてきたが、最近では米の炊き方やサービスの細部に不満の声もある。呼び鈴への対応の遅さや照明管理といった維持管理面の課題が散見されるようになった。

No. 11

The Space Hub

HONMONO Score 88 / 100

Bangkok

日本人オーナーのレシピによる日本風カレーとハンバーグが評判の店。家庭的な味わいは日本人の心をつかみ、清潔で可愛らしい雰囲気とスタッフの親切な対応も好評だ。カレーやみそ汁の提供温度が低いとの指摘が一度あったほか、カレーの濃さに軽微なばらつきがあるものの、3年前から評価は一貫して高い。

No. 12

Misho

HONMONO Score 86 / 100

Bangkok

日本人料理人が手がける和食店で、豊洲から週3回空輸される新鮮な魚を使った海鮮丼や寿司が看板メニュー。東京の高級和食に匹敵する水準をリーズナブルな価格で実現しており、サービスと清潔感も優れている。味噌漬けクリームチーズなど創作料理も評価が高く、開業当初から駐在日本人と地元富裕層の両方から支持を集めている。

バンコクの日本食シーンは、歴史の重みと最新の挑戦が交錯する場だ。80年の歴史を持つ老舗が今なお愛される一方、新鋭の担々麺専門店が独自の味を確立している。日本人が本当に通う店は、単に「本格的」なだけではなく、それぞれの哲学を持ち、日々の積み重ねで信頼を勝ち取っている。