2026年4月10日
マニラの日本食事情:日本人が本当に通う店
マニラの日本食シーンは一見華やかだが、日本人の評価は意外に厳しい。HONMONOのデータを見ると、地元で高い人気を誇る店であっても、日本人の利用者は細部まで容赦ない目を向けている。全体評価と日本人評価の間に明確な開きがある店が多く、現地で信頼される店は観光客が集まる有名店とは必ずしも一致しない。
日本人が信頼する店
日本人オーナーが営む出汁料理に定評のある店。天ぷらうどん、肉じゃがなど、出汁の味わいを活かした料理で開業当初から支持を集めてきた。日本から取り寄せた食材を使い、丁寧に仕上げられた料理は海外にいることを忘れさせる。ただし最近数ヶ月は欠品が目立つようになり、サービスの質にもばらつきが生じている。初期の高評価ほどの一貫性は失われつつあるが、出汁の味わいそのものは今も評価されている。
No. 02
Kurofune Malate - Authentic Japanese Unagi & Tempura restaurant
HONMONO Score 87 / 100
鰻と天ぷらに特化した専門店。日本で食べるのと変わらない品質の鰻を、海外としては良心的な価格で提供している点が評価されている。日本人の利用者からは「海外でこのクオリティなら文句なし」との声が多い。ただし最近はスタッフの言葉遣いや米の品質など、細部での改善を求める声も出ており、サービス面での課題が見え始めている。
食材の鮮度と洗練された内装で知られる店。サービスの質も高く、海外の日本食レストランとしては上位の水準を維持している。ただし近年は味付けが濃いという指摘が増えており、カレーうどんやささみわさびなど、個別の料理の仕上がりにばらつきが見られる。全体としては日本の味を忠実に再現しようとする姿勢が評価されているが、味のバランス調整が課題だ。
マラテ地区における本格派の和食店。日本から仕入れた新鮮な海鮮と、日本式のおもてなしを受けた多言語対応スタッフが強み。店内の雰囲気も洗練されており、フィリピンでは上位クラスの和食店として認識されている。価格は高めだが、本格的な日本の味を求める駐在者にとっては相応の価値がある。ただし最近はドリンク提供の遅さやスタッフ対応のばらつきが指摘されており、かつての管理体制からの微妙な質の低下が窺われる。
刺身と寿司を中心とした海鮮料理に強みを持つ高級店。日本の食材を使用し、日本レベルの品質を提供していると大多数から評価されている。価格は高めだが、質に見合った価格設定とする見方が多い。サービス面では丁寧な対応を評価する声が多い一方、最近は従業員の接客態度改善を求める声も出ており、サービスにばらつきがある。味と質の評価は安定的に高い。
和牛の品質、日本式調理、きめ細かいサービスが一貫して称賛されている焼肉店。3年前から現在まで高い評価を維持しており、日本人駐在員の間ではマニラで最良の焼肉店として認識されている。価格帯はマニラでも高級店だが、日本クオリティへの期待に応える内容。ランチメニューは肉の組み合わせが微妙なケースがあるなど、若干のばらつきはある。
マラテ地区の老舗居酒屋。かつては料理の質と本格性で高く評価されていたが、最近1〜2年は評価が二分している。ちらし寿司やお好み焼きなど良好な料理もある一方で、冷凍食材の使用、ご飯の質低下、調理速度の遅さが指摘されている。オーナーの人柄で顧客が保持されているが、味や本格度では劣化傾向が見られる。
丼物、揚げ物、豚汁など主力メニューは安定した品質で提供されており、スタッフの接客態度も高く評価されている。ただしうどんや蕎麦などの麺類の品質が一貫性を欠く点が課題。また最近はハエの目撃や一部スタッフの対応品質の低下が報告されており、衛生面とサービスの向上が求められている。
日本人経営による本格的な日本料理を長年提供してきた店。味、サービス、本格度のいずれも総じて優れている。ただし最近1〜2年はご飯の質低下、サービスの遅延、価格の割高感などの指摘が増えており、かつての水準から若干の品質低下傾向が見られる。
6年前から3年前までは茶碗蒸しや大トロなどの看板メニューに定評があった。しかし2年前以降、品質低下が顕著になり、チューブわさびの使用やネタの硬さなど食材管理の劣化が指摘されている。パンフレットの翻訳精度の低下など、経営姿勢の問題も見られる。かつての高い評価から、最近では味も価格も他の一般的な和食店と差別化できていないとの指摘がある。
9年前から6年前まで「日本の味に近い」と好評だったが、4年前以降は味の低下や衛生管理の問題が指摘されるようになり、評価が二分化している。サービスについては時期により変動があり、かつての対応は最近では一部で低下が報告されている。
豚骨ベースのスープは日本と同等のクオリティと評価される一方、塩辛さが強く、フィリピン向けの濃い味付けという指摘が複数ある。サービスと店の清潔さは高く評価されているが、近年は「普通」「微妙」といった評価が増えており、初期の高い評価から徐々に評判が低下する傾向が見られる。人気店ゆえの行列は常態化しており、待ち時間の長さがデメリット。
マニラで日本食を探すなら、地元の人気に惑わされず、日本人の利用者が何を評価し、何に厳しい目を向けているかを見極める必要がある。HONMONOのデータが示すのは、全体評価の高さと日本人の満足度は必ずしも比例しないという現実だ。出汁の味わい、食材の鮮度、調理の丁寧さ――細部への妥協のなさが、真に信頼される店を分ける。